スマートフォンのアイコンやアプリの画面も、企業が時間とお金をかけて作っています。まねされたときに法律で守られるかどうかは、企業にとって気になるところです。

法的な保護がはっきりすれば、開発や取引を進めやすくなりそうです。では、権利を持つ企業だけでなく、ほかの企業による利用も広がるのでしょうか。

Amoncioらは、2026年2月の解説で、Apple対Samsungの2012年の裁判をきっかけに企業の行動がどう変わったかを紹介しています。この裁判の評決は、画面上のデザインも法的に保護されることを強く示しました。

著者らによると、評決後、デジタルデザインの権利を取得する動きは、比較対象のデザインよりも増えました。取引で増えたのは、主に権利そのものを他社へ売る形です。権利を保有したまま使用料を受け取り、他社に利用を認めるライセンスは増えませんでした。

権利を売買しやすくなることと、同じデザインを多くの企業が使うようになることは、分けて考える必要があります。

日本への示唆

日本でも、制度の成果を評価する際は、登録件数に加えて、他社による利用や新商品の開発につながったかを見る必要がありそうです。ただし、米国のデジタルデザインを対象にした結果を、日本の特許や商標全体にそのまま当てはめることはできません。こうした日本への示唆は本解説での考察です。