同じような設備を持ち、似た商品を作っているのに、よく売れる会社と、そうでない会社があります。違いを生むのは、技術だけとは限りません。

「この会社なら安心」という評判、使いやすいソフトウェア、顧客を理解するためのデータ、社員が協力して仕事を進める仕組み。目には見えなくても、会社の力になるものがあります。

こうした強みを育てるためのお金を国ごとに集計したのが、WIPO(世界知的所有権機関)とLuiss Business Schoolによる2026年の報告書です。29の国・経済を対象に、研究開発だけでなく、ブランドや組織のノウハウなどへの投資も調べています。

この報告書から考えられるのは、企業の将来性を知るには「どんな力を育てているか」に注目することの大切さです。もっとも、お金をかければ必ず成果が出るわけではありません。この報告書も、個々の企業の成功や情報開示の効果を証明するものではありません。

日本への示唆

企業が投資家に説明するときも、「特許を何件持っています」に加え、その技術を使ってどんな商品を届け、なぜ顧客に選ばれるのかまで伝えることが大切だと考えられます。これは本解説での考察であり、報告書が日本企業の開示効果を検証したという意味ではありません。